coffee trivia
このページではコーヒーにまつわる様々なお話や雑学、豆知識を提供していきたいと思います。
1: 日本におけるコーヒーの発展
1639年から鎖国政策をとっていた日本では、1690年頃コーヒーは長崎の出島に出入りしていたオランダ人によってもたらされました。
とはいえ、当時オランダ人と交流のあった日本人は、通訳、役人商人、遊女、などの限られた人たちだけでした。
狂歌・酒落本で有名な太田蜀山人も飲んだようですが、その感想は、「紅毛船にかうひいというものを勧む、豆を黒く煎りて粉にして、白糖を和したるものなり、焦げ臭くして味ふるに堪えず」と今一つであったようです。
一般への普及は、近代の夜明けを待つことになります。
その後、初めてコーヒーが輸入されたのは、1877年のことで、その量は18トン。
コーヒーは文明開花に花を添えるハイカラな飲み物として、特権階級の間でもてはやされ、1886年には、東京日本橋に日本初のコーヒー店「洗愁亭」が開店します。
そして、1888年、日本の喫茶店のはじまりとされる「可否茶館」が中国人の手によって、東京上野に開店します。
その時のコーヒー一杯の値段は、一銭五厘だったということです。
その後、浅草、大阪、銀座などに喫茶店の開店が相次ぎ、当時の学者や文化人たちが、文学や芸術を論じるサロンとなっていったのです。
2:シェークオマールの伝説
13世紀の中頃、イスラム教の僧侶シェークオマールは、罪に問われて
アラビアのモカから追放され食べるものもなくオーサバという土地をさまよっていました。
すると、小鳥が、赤い実をついばんで陽気にさえずっているのを見たのです。
この実を採って煮込んでみるとすばらしい香りのスープができ、飲むと心身に活力がわいてきました。
その後、彼はこの赤い実(コーヒーの実)を用いて多くの病人を救ったことで、国王に罪を許され、モカに戻ることができました。
そこでも彼は多くの人を助け、のちには聖者として崇められるようになったということです。
これが貴婦人といわれるモカコーヒーの伝説なのです。
3:コーヒーと水の関係水には大きく分けて硬水と軟水があるということはみなさんご存じですよね。水に含まれるカルシウムやマグネシウムのイオン量を炭酸カルシウムに換算し、 水1リットルあたりの含有量が100mg/l以上のものを硬水、 それ以下のものを軟水としています。 コーヒーにはどうなのかというと、ミネラル分が多すぎると、 主成分であるカフェインやタンニンの抽出が妨げられられ、 まろやかさや酸味を味わうことができなくなります。 また逆に硬度の低い水では、苦み成分は溶解しにくい状態となります。 ですから、マイルドなコーヒーを望むなら、 軟水で入れるとおいしいと感じるはずです。 苦みの強い味を望むなら、硬水を使われた方がより好みの味に近づけることができると思います。 日本のほとんどの水道水は、軟水に分類され高水準の水と言われています。 ただ最近は塩素臭が強くなったと感じていますが・・ 経験では、北海道羊蹄山(ようていざん)の麓、京極の水は、清涼感、透明感に富み、 とてもすばらしいと感じました。 その水でたてたコーヒーは、まさにコーヒーの持っているそのものの味という感じで、 格別な思いをし今も強く印象に残っています。 のちにわかったことですが、京極の水は、 名水100選にも選ばれているということを知り、 名水はコーヒーにあうのかな?とまで思ってしまったくらいです。 コーヒーをおいしく飲みたいと思うなら、水にも気を配ってみてはいかがでしょうか? |
4:温度と味覚について
人間が快い温かさを感じる温度は、体温よりも25度以上、つまり温かいものであれば62度から70度、冷たいものであれば、5度から12度とされているのです。
コーヒーも同じように、おいしいい温度は、62度から70度で飲んでいただくことがもっとも美味しいと感じるのです。そのためには、95度前後のお湯で抽出することが必要となります。なぜなら、サービス提供時に70度から80度になり、飲用時には65度から70度に下がっているからなのです。
また、コーヒーのもつ味の個性を引き立たせる温度も92度から96度と言われています。風味豊かなコーヒーのためにも、沸かし立てのお湯を使って素早くいれることが大切といえます。
次に温度と味についてのお話をしますね。
味には大きく分けて四種類の原味があるといわれているのです。
これを唱えたのは、ヘニングという人らしいのですが、塩味、甘み、酸味、苦みがそれです。そして、その味が温度とともに違って感じるということを理解しておくことが大切なのです。
甘みは、体温に近い温度の時にもっとも強く感じます。果物がなま暖かくなったときのことを想像してください。非常に強い甘みを感じ、美味しくないという経験をされた方もおありでしょう。甘みの成分というのは、体温から離れるに従って感じ方は弱くなるという性質を持っているのです。
本来冷やして飲むものをそのまま飲んだときは、とても甘く感じるでしょう?冷やすことで、甘みが押さえられるので、甘めに調整されているからなのです。
酸味は、温度によって変化を受けにくい味覚です。他の要素が強くなったり弱くなったりすることで感じ方が変わることはあります。
苦みや塩味は、また違った感じ方がします。これらの味覚は、温度が高いほど、マイルドに感じ、低くなるにつれて、強く感じるという性質を持っています。 コーヒーが温かい方が、おいしくいただけるというのは、この性質によるものだからです。
コーヒーを抽出されるときは、こういった温度による変化も頭に入れておかれると、より美味しいコーヒーがいただけると思います。
5:【家庭でコーヒーを美味しく飲む方法】
みなさんがご存知のようにコーヒーは煎りたて・挽きたて・たて立てがもっとも美味しいものです。
しかし、その都度一杯ずつ立てるのもなかなかできないものです。
通常ご自宅で楽しまれる場合ポットに数杯分たてられることが多いのだと思います。
その際、時間の経過とともに風味が劣化し美味しくなくなり最後まで飲めないということもよく経験されると思います。
そういったときに美味しく飲み続けられる方法をお伝えいたします。
私自身もよくやっていることなのですが、50gのコーヒー豆に対して湯量を300C C程度でたてます。
かなり濃厚なコーヒーエキス成分が抽出されることになります。
そのままでも濃厚な美味しいコーヒーを味わうことはできるのですが、これに熱湯を加えて濃度を調整するのです。
コーヒーを抽出する際、抽出の最後の方で雑味成分が多く抽出されるので、こうすることで雑味成分の少ない綺麗な液体を抽出することができるんのです。
そうして適当な濃度に調整するために熱湯を注ぐ。
一度試して見てください。相当にスッキリ透明感のあるコーヒーを味わうことができます。
時間の経過とともに少しずつ熱湯を加えていくことで長い時間美味しくコーヒーを楽しむことができます。
6:コーヒーカップと味について
みなさんは、コーヒーカップがコーヒーの味を変えると言うことをご存じでしょうか?
コーヒーそのものも味を変えるというのではないのです。
私たちの味覚は、舌で感じ取っていますよね。その舌のどの部分で味覚を感じるかと言うことが、カップによって変わると言うことなんです。
少し図で説明しますね。
この図と舌の表面を考えあわせていただければ理解はたやすいと思います。
たとえば、縁の広いコーヒーカップで飲むことをイメージしてください。
コーヒーはどのように舌の上を進んでいくでしょうか?縁が広いと言うことは、舌の両サイドに流れていきますよね。
舌の両側は、酸味を感じるところです。ということは、軽やかな味わいということになります。逆に、縁がまっすぐな場合はどうでしょうか?
まっすぐに舌の奥に入っていくと言うことは、そう苦みを感じやすくなると言うことです。
こういうことを理解していれば、好みのコーヒーの味をより引き立たせるために、カップも使い分けていく。
そうすることでさらにコーヒーを味わう楽しみが増えるというものです。
一度試してみるのも面白いかもしれませんね。
7:コーヒーの焙煎度(ロースト)について
コーヒーの生豆本来の持ち味をうまく引き出しながら、味や香りを仕上げてくれるのが焙煎(ロースト)なんです。
今日は、焙煎度についての話をしたいと思います。 まず、焙煎には八つの段階があります。
浅い順から
- ライトロースト
もっとも浅い煎り方で、豆は黄色がかった小麦色をしています。香りやこくは優しく若いという印象。ローストの初期段階と言えます。 - シナモンロースト
名前の通り、豆はシナモン色をしています。香りは、ライトローストよりも深いですが、こくや苦みは柔らかく、さっぱりとした口当たりがあります。 - ミディアムロースト
豆は栗色になります。酸味、苦みともにあり、味に幅が出てきます。さわやかな香りで、口当たりも柔らかくアメリカンコーヒーに向きます。 - ハイロースト
豆の色は茶褐色をしてきます。香り、色ともにバランスがよく、酸味は抑えられ苦みを感じるようになってきます。 - シティロースト
豆は茶褐色。日本の製品に一番多いローストです。酸味と苦みのバランスがとれ、こくがありローストの香りも強くなってきます。 - フルシティロースト
色は、黒みを帯びた褐色となります。酸味は抑えられ、苦みが前面に出てきます。苦みが十分にあるので、アイスコーヒー用として使われることが多いです。 - フレンチロースト
豆の色は、深い黒みを帯びてきます。脂肪が豆の表面ににじみ出てくることもあります。苦み、ロースト臭も強くなってきます。カフェオレに合うと言われています。 - イタリアンロースト
豆は、ほとんど黒い色に近くなります。強い苦みと濃厚なこくを持っています。エスプレッソやカプチーノに向くと言われています。
このように、焙煎によっては、同じコーヒーでも全く違った味になるのです。
よく色が違うということを耳にしますが、それははっきりと味が違うことを意味しているのです。業者さんによっては、同じという答え方をする方もいらっしゃいますが、決して同じではないということを覚えておいてください。
それぞれに特徴があって、飲み方にも大きく影響してくることですから。 それから、コーヒーは基本的に焙煎したてのものが最もおいしいので、コーヒーを購入される際には、少しづつこまめに買われる方がいいのです。
焙煎して普通の状態においておくと、数日で鮮度が劣化し本来の味からはほど遠いものとなっていきます。
最近は、包装形態など技術の進歩で劣化が少なくはなっていますが、やはり焙煎したての、粉にしたてのたてたてのコーヒーがもっとも美味しくいただけると言うことは、忘れてはいけないのです。